Q.法律上の相続の割合(法定相続分)はどのように決まっていますか?


A.法定相続分とは、遺言によって、相続分の指定がない場合に適用される相続の割合です。

法定相続人の範囲はQ5において説明しました。配偶者は常に相続人となります。どの順位の血族相続人と一緒に相続するかにより、各相続の割合は変化します。なお、相続人が一人しかいないときは、その一人が全て相続することは言うまでもありません。

相続人 配偶者の相続分 配偶者の相続分
配偶者と子 2分の1 3分の1 
配偶者と直系尊属 3分の2 2分の1
配偶者と兄弟姉妹 4分の3 3分の2
   ※昭和56年1月1日以降に発生した相続  ※昭和23年1月1日以降に発生した相続

また、血族相続人で同一順位の相続人が複数いる場合は、原則として、その順位間では平等となります。例えば、夫が死亡して、妻と子供二人が相続する場合、妻が2分の1、子供が各4分の1(二人合わせて2分の1)となります。この同一順位間での平等相続には、次の例外があります。

 

・非嫡出子の相続分

 非嫡出子とは、婚姻中の男女の間で生まれたものではない婚外子のことです。現時点(平成24年4月)での民法の規定上は、非嫡出子の相続分は、嫡出子(婚姻関係にある男女から生まれた子)の2分の1とされます。但し、この民法の規定は、婚姻外で生まれたことについて子に落ち度はないことから、憲法違反であるとの批判もあります。平成7年の最高裁判決では、憲法違反ではないと判断されました。しかし、大阪高裁の平成23年8月24日付の決定では、やはり憲法違反との判断がなされており、今後も注意が必要です。その後、平成25年9月4日に最高裁決定により、平成13年7月以降は非嫡出子の相続分は嫡出子と同じと扱われることになりました。

 

・両親を一緒にしない兄弟姉妹の相続分

 兄弟姉妹が相続人となる場合に、被相続人と片方の親だけが同じ兄弟姉妹の相続分は、両親が同じ兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。