Q.遺言は、どのような方式で行う必要があるのですか?


A.遺言は、紙に書いてあれば何でも有効という訳ではありません。法律の定める方式に従って行わないと、たとえ被相続人の生前の意思に合致していることが証明できても無効とされます。

民法では、普通方式として3種類、特別方式として4種類を認めています。公正証書遺言が、方式不備による無効の危険性が少なくお勧めです。

 

①自筆証書遺言    

遺言者が、遺言書の全文、日付及び氏名を自分で書いて、押印して作成する方式です。安上がりで、簡単にできますが、反面、偽造されやすく、方式不備で無効とされる危険性も高く、さらに無理やり遺言させたのではないかとの争いも起こりやすいものです。

 

②公正証書遺言

遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がこれを筆記して公正証書による遺言書を作成するものです。口がきけない者が公正証書遺言を行う場合の特別方式もあります。公証人は、弁護士と同等レベルの法的知識を備えており、法律上適正な内容・方式の遺言ができます。また、公証人が遺言者の意思確認を行うので、あとから無効だと争われにくくなります。さらに、公証役場で遺言が保管されるので、破棄・隠匿される危険性もありません。

反面、遺産の額に応じた手数料を公証人に払う必要があります。

(手数料について、日本公証人連合会ホームページ http://www.koshonin.gr.jp/index2.html

 

③秘密証書遺言

遺言者が、遺言内容を秘密にした上で遺言書を作成し、公証人と証人の前に封印した遺言書を提出して行う遺言です。自筆証書遺言と比較して、遺言者が遺言内容を自書する必要がない(署名、捺印は必要。)等の違いがあります。口がきけないものが秘密証書遺言を行う場合の特別方式もあります。

 

④特別方式遺言

死亡危急者遺言・・・病気その他の理由で死亡の危機にあるものの遺言

伝染病隔離者遺言・・・伝染病によって行政処分により隔離されたものの行う遺言

在船者遺言・・・船舶中にあるものの遺言

船舶遭難者の遺言・・船舶の遭難により死亡の危機にあるものの遺言