A.公的年金受給者については、逸失利益の対象となるものとならないものがあります。また、生活費控除率や算定の基礎となる期間が異なります。給与等と公的年金の両方を得ている場合は、それぞれ逸失利益を計算します。
<公的年金等の逸失利益計算式。>
死亡逸失利益=対象となる公的年金等の額×(1-生活費控除率)×算定基礎期間に対応したライプニッツ係数
対象となる公的年金(代表例)
国民年金(老齢年金)・老齢厚生年金・農業者年金・国家、地方公務員の退職年金給付・港湾労働者年金
対象とならない公的年金(代表例)
遺族厚生年金・市議会議員共済会の遺族年金
生活費控除率
年金部分の生活費控除率は、Q8の通常例と比べ高く設定される事例が多くあります。年金生活者は、収入が少ないので、より多くの割合を生活費に費消したはずだとの説明がなされることが多いようです。年金以外にも収入があって、生活費をあまり年金に頼らずに済んだといったことを立証できた場合には、通常の生活費控除率となる場合もあります。
算定基礎期間
死亡日から、統計資料に基づく平均余命期間が算定基礎となり、この期間に対応したライプニッツ係数を使います。
ライプニッツ係数
Q6の回答を参照してください。